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【事例】毎日、動画を配信して認知度向上!防災用品通販サイト『そなえる.com』の動画活用の裏側

中小企業にとって企業や商品の認知度向上は経営における最重要課題であることは言うまでもありません。

  • 企業の認知度が上がれば、潜在顧客が自らコンタクトを取ってくれるようになる
  • PUSH型営業だけでなくPULL型営業もできるようになる
  • 広告宣伝費を下げることができる。価格競争にも巻き込まれないようになる

『WEBマスターの手帳』をご覧の方々は、この認知度向上をwebによって成そうと日々奮闘されていらっしゃることと思います。

そんなみなさんにご紹介するのが、平日毎日動画を配信して、認知度向上を行ってきた中小企業の事例です。切れば血の出るナレッジと、そのプロジェクトを進めるポイントについて解説しますので、ぜひご一読ください。

動画によって認知度を向上させようとした背景

本記事でご紹介するのは、京都の防災用品通販サイト『そなえる.com』を運営する株式会社カスタネットさんです。

そなえる.com

カスタネット社の代表、植木力社長は2016年6月から、平日毎日動画を配信し続け、企業と商品の認知度向上を成し遂げてきました。

まず、なぜ植木社長が動画による認知度向上を考えたかという背景をご紹介します。

カスタネット社が創業間もないころのビジネスは、オフィス向け文具用品の通販でした。しかし文具用品は単価が安いため、取り扱う商品を防災用品に切り替えます。

防災用品に切り替えて営業・宣伝活動を行おうとしたときネックになったのが、カスタネット社は「安い文具用品を売っている会社」というイメージを持たれてしまい、防災用品を販売する会社というふうに認知されなかったことだったそうです。

そこで植木社長が考えたのが、「防災用品を数多く取り揃え、その使用方法説明や活用提案を動画で行うこと」でした。

それにより、防災用品を扱う企業としての認知度を向上させようと考えたのです。

どんな動画を制作しているか?

動画で商品紹介を行う。言葉にすればとても簡単ですが、植木社長を悩ませたのは、そもそも動画制作の技術や経験を持ち合わせていないことでした。

スライドショーのような“動かない”動画も考えましたが、実際に防災用品を使用するシーンを考えたとき、実際に製品を手に取って動かしている様子を見せなければ、いざという時の製品の動かし方がわからなくなってしまい、ものの役に立ちません。とはいえ、動画制作を外注すると一本十数万円はかかってしまいます。

このそもそもの大問題を解決したのが、月額5万円のサブスクリプション型動画制作サービス「1Roll」でした。

とある中小企業の経営者が集まるビジネスサロンで1Rollを知った植木社長は、さっそく1Rollでの動画制作を始めます。

制作する動画は30秒から45秒ほどの動画で、カット数は4から6カットのものが中心です。

たとえば、カスタネット社が罹災した方々からのヒアリングを通じて開発したオリジナル製品「マルチポンチョ」の動画。

これだけなら、どの会社でもつくれそうな気がしますが、植木社長が凄まじいのはこうした動画を平日毎日つくり続けていることと、一つの商品をとっても複数の切口から動画を制作していることです。

前者はあとで言及しますので、先に後者の取り組みについて解説しましょう。

製品のベネフィットを多様な切口で動画化する

一例を挙げると、そなえる.comでは「蓄光テプラー」という製品を取り扱っています。この製品は光を取り込んで、地震や台風などで停電しても、何がどこにあるかということがわかります。

webマスターのみなさんがこの製品を販売することになったとして、商品購入ページにどんな動画を制作するでしょうか?

今までの動画制作の常識では、その製品がもっている特徴や機能をなるだけ一本の動画にまとめるか、取捨選択をしてどれか一つの特徴を訴求するのが一般的でした。

しかし、植木社長が行ったのは、その製品がもっている特徴が複数あれば。提案したい活用方法が複数あれば、その本数だけ動画を制作することでした。



さて、これらの動画のうち、最もコンバージョンに寄与したのはどの動画だったと思いますか?

答えは、みなさんが自社で動画をつくりたいと決断され、そのツールとして1Rollを使いたいとお考え頂いた方にお伝え致したく存じますが、ヒントは、そなえる.comのメインユーザーが企業の総務担当者である、ということです。(たぶんこのヒントでおわかりになるでしょう)

複数の切口で動画を制作する意義は、なんといってもどんな切口がヒットするかわからない中、売れる成功率を高めることができるということです。

製品ひとつとっても、Aという使い方をしたいユーザーもいれば、Bという使い方をしたユーザーもいる。Xという機能にベネフィットを感じるユーザーもいれば、Yという機能にベネフィットを感じるユーザーもいます。

バナー広告であれば、ユーザーの趣味嗜好や関心に合わせてクリエイティブを変化させるコストは高くありませんが、動画でそれを行うことは従来の制作料金体系では不可能です。

植木社長は月額定額で動画撮り放題というサービスをフル活用して、平均すれば1本2,500円以下という恐るべき制作コストで、動画を作り続けています。

こうして複数の切口の動画を作ったことによる副産物がありました。

一つは、複数の切口の動画を集めて、その製品専用の動画ランディングページ(LP)が制作できることです。(例:カスタネット社のオリジナル製品「そのまま持ってけBOX」)

そしてもう一つは、人材育成につながっていることです。

つくり手視点、売り手視点ではない顧客視点の動画制作が、人材を育てる

カスタネット社の販促方法は、主にメーカーから提供される「こうやって使えます」という資料が中心でした。すなわちメーカー視点での販促です。

しかし、「こんなユーザーだったら、こう使うんじゃないか」「この機能は、こういうシーンで使うこともあるんじゃないか」と社員のみなさんと相談しながらつくることで、社員をいつしかメーカー視点、売り手視点から、ユーザー視点に変えていったというのです。

これは動画制作を外注したり、メーカーから提供される販促資料をそのまま使っていては絶対に身につかない能力ではないでしょうか。

また、動画を制作することは、動画でわざわざ見せた方がいいシーンと、テロップ(テキスト情報)で補足するシーンなどを判別する情報編集力やキャッチコピーをつくる力も養っていると植木社長は言います。

動画制作を通じて得た成果

カスタネット社で制作されている動画は、商品紹介や活用提案だけでなく、カスタネット社が長年行っている社会貢献活動や、近隣の観光スポット・イベント情報など、自社が長く根付いている地域社会の情報も発信されています。

これもまた中小企業ならではの情報発信の在り方ではないかと思いますが、このような動画を平日毎日配信し続けた結果、どのような成果を得たか。

最初はなかなか動画の再生回数が伸びず、社員のみなさんのモチベーション維持に苦労されたようですが、植木社長が次は何を撮影するかというカレンダーをつくり、自らが率先して動画に出演することで、社員のみなさんを引っ張っていったそうです。

また、動画というとクオリティの高いものをつくらなければいけないのではないかという社員のみなさんの不安を払しょくするため、制作する動画のタイトルを「社員がつくる動画」として、自分たちが手作りしていますというメッセージを発信しました。

この植木社長の姿勢は、見た目のカッコよさを取り繕うとしたり、使えそうなツールを見つけてあとは現場に丸投げという経営者・決裁権限者には耳の痛いことではないかと思います。

こうして地道に行ってきた動画制作プロジェクト。変化はまず、顧客からの「動画見てますよ。いつも頑張ってるね」という声で現れ始めました。

次に地元『京都新聞』で大きく取り上げられ、さらにローカルテレビ局の経済番組に出演され、ついにはNHKのサラメシにまで出演されてしまいました。

『京都新聞』で大きく取り上げられたカスタネット社

動画を作り続けるポイント

カスタネット社の動画は2019年6月を前に、ついに700本を超えました。

これらの動画を制作するポイントは、とにかく「短尺、少カット」(4~6カット、30秒~45秒の動画が)にまとめること。そして、一つの商品であっても複数の切口で紹介すること。

クオリティの高いものをつくろうと意気込みすぎず、社員の手作り感を前面に押し出すことです。(カスタネットさんの動画は、セリフを少々かんでも基本OKです)

ぜひ、カスタネット社の動画があるwebページをチェックいただき、どのような動画を制作しているかぜひご覧ください。

自社のビジネスモデルなら。自社製品ならどんな動画活用方法があるだろうか。

動画をつかった認知度の向上や販売促進に取り組んでみたいとお考えの際は、webマスターの手帳をご覧頂いた企業の方だけに、私が宣伝会議や各自治体で行っている動画制作ワークショップとセットにした1Rollの6ヶ月間の利用プランを特別価格でご提供します。

ぜひお気軽にお問い合わせください。