こんにちは。遠藤(@webmaster_note)です。また怒りを抑えずにいられないニュースがありました。
「無料でウェブサイトを作ります。」と誘い、実際にはリース契約を結ばさせて、法外な費用をぼったくる手法です。
参考
悪質商法で1000万円の借金を負わされ、46歳のゴルフレッスンプロが破産するまで文春オンライン
ウェブリテラシーの低い人を騙す悪質業社
今回、ゴルフのレッスンプロが被害にあった内容を簡単にまとめます。
- ウェブサイトを無料で作ると誘う
- 契約時に「ソフトのリース契約」を言い出す
- リース費は、作成したウェブサイトでの広告掲載費で相殺を提案
- 広告掲載料の支払いが止まり、リース費が負債となる
リース契約で「月々、5万円を5年間」ということは年間で60万円、5年間で300万円を支払うということです。
300万円をホームページ制作に支払うとしたら、相当にクオリティの高いウェブサイトができます。仮に100万円でホームページを作ったとしたら、残り200万円を他のことに使うことができます。
小企業庁からも注意喚起が出されている
小企業庁からも「ホームページソフトなどのリース契約はしっかり考えてから!悪質な事業者とのトラブルにならないよう注意しましょう。」という注意喚起が出されています。
ホームページのリース契約はできない
ホームページは無形物のため、リース契約を結ぶことができません。そのため、悪徳業者は、有形物である「ソフト」や「DVD」、「パソコン」などのリース契約を結ぼうとするのです。
リース契約は、リースの対象を、契約先から契約している期間、借りることになります。つまり、契約が終了したら、返却をしなければなりません。
Webサイトの所有権も、ドメイン(URL)の所有権は、もちろん依頼側にはありません。
また、リース契約は契約期間の途中で解約することができないことが多く、事業者間の契約では「クーリングオフ」が適用されないため、一度、契約書にサインをしてしまうと逃れることが非常に難しいのが現状です。
途中解約を申し出ると、違約金を請求されることもあります。
弁護士に依頼をして裁判をするとしても、その負担は中小企業や個人事業主には重い負担となってしまいます。
とにかくホームページ制作で「リース契約を」という言葉が出たら、要注意です!悪質業者に騙されないように気をつけてください!
私は、ホームページ制作において「リース契約」を結ぶ必要性を全く感じません。ホームページ制作でリース契約を結ぶことには断固として反対です!
ホームページ制作の悪質業社によるトラブルは後を絶たない
私も2015年にYouTubeで動画を公開しましたが、ホームページ制作で悪質業社に騙されてしまったというトラブルはあとを絶ちません。
悪質商法はリース契約だけではありません。SEOの成果報酬をうたって、実際は何もしなかったり、低品質なWebサイトを作ったり、サテライトサイトを乱立させて、被リンクを自作したりなど、さまざまなものがあります。
人付き合いが生む大きな負の連鎖
今回のニュース、もともとは2017年4月ごろに話題になっていました。
参考
ゴルフレッスンプロ、1000人超が破産の危機東洋経済オンライン
こういった悪質な商法に引っかかってしまう人は、ウェブにうとく、リテラシーも低く、いわゆる「情報弱者」です。
そういった人たちの特徴として、「知人からの紹介」や「口コミ」に縛られている(根拠のない信頼が強すぎる)ことが挙げられるます。
レッスンプロの世界はまさに体育会の世界だ。自分が契約を断るということは、すでに契約している先輩たちや、契約を薦めた練習場の経営者の判断を否定することを意味する。
ゴルフレッスンプロ、1000人超が破産の危機|東洋経済オンライン
私も過去に「病院」で同じような状況を目にしたことがあります。町医者の病院でウェブサイト制作や管理を、かなり古株のウェブサイト制作会社が「人脈」で独占していました。
月々の管理費も、実際にやっていることとは釣り合わない、ボッタクリ金額でした。
なぜ、その会社に依頼したのかと聞いたら「お世話になっている、先輩医師の紹介」とおっしゃっていました。
「紹介」は悪いことではありません。ですが、人付き合いや紹介によって生じる負の面も、しっかりと認識しておくべきでしょう。
タダより高いものはない
弁護士ドットコムにも、今回の件と同じような「ホームページ制作のリース契約」について、多くの相談(【弁護士が回答】「ホームページ リース」の相談63件 )が投稿されています。
ホームページ制作に限らず「タダより高いものはない」という言葉を、噛みしめましょう。
私は「安かろう悪かろう」は間違っていないと思っています。安いにはそれ相応の理由があるはずです。
中小企業で、予算が限られていて、少しでも安く済ませたい気持ちはわかります。ですが、甘い言葉に惑わされて、結果的に大損失を被らないように、なぜ安いのか?なぜタダなのか?という疑問を持ってください。