WEBサイトの管理と運用の違いってわかりづらいですよね。WEBサイト制作会社も「管理・運用」とひとくくりにしている会社がほとんどで明確な定義付けをしているところは限られています。
フワッとさせていて明確に定義付けできる人がいないのかもしれません。というわけで私が考えるWebサイトの管理と運用を共有したいと思います。
スタジアムで考えてみる
頭を整理する為にスタジアムの場合で考えてみます。
スタジアムをどう使うかは運用
スタジアムを運用するということは、スタジアムをどう使っていくのかを決めることでしょう。スポーツの試合をするのか、ミュージシャンのライブをするのか、展示会をするのかなど用途は様々です。
何に使うのかを企画し、決定し、実施するのが運用といえるかなと思います。
スタジアムが使える状態にするのが管理
ではスタジアムの管理とは観客席の破損を直したり、スポーツの試合が出来るように芝生を整備したり、運用するのに問題なく使える状態にすることです。
WEBサイトの運用とは
まずは「運用」の一般的な広義をみてみましょう。
- 物の機能を生かして用いること。活用。 「法の-をめぐって論争する」
- 金銭を利殖などの目的のために他の財産形態に変えること。 「財産を-する」
- 運転。特に,操船。
WEBサイトの運用とは「WEBサイトの役割を果たしビジネスの売上に貢献すること」にWEBサイトを活かすことであり、マーケティングの道具として使うことです。
WEBサイトの目的(役割)は様々です。(実際、WEBサイトはどんな役割も担えてしまいます)販売、宣伝、メディアなど各会社ごとにWEBサイトが担う役割があるはずです。
目的があっての役割があるわけですから、役割があれば目的もあるはずです。そして、その目的は売上に貢献することにつながっているはずです。
ただ更新することではない
運用=更新ということではありません。更新していればWEBサイトの目的が達成されるかといえばそう簡単な話ではありません。
雑誌で考えてみましょう。雑誌が毎週発刊(更新)されていれば、それで雑誌の目的は果たされるでしょうか?そこに読者に楽しんでもらえるように企画し、記事を作る必要がありますよね。そして読者からの声を聞いて、より読者に楽しんでもらえる企画を考えていくはずです。
WEBサイトの運用は更新なので、毎月なにかしら更新します。更新の内容は会社のお知らせです。
こういう時代はとうに終わりました。
WEBサイトの管理とは
WEBサイトの管理とは保守業務とも言えるでしょう。トラブルや不具合が発生した際に対応することであり、運用出来る状態にしておく(維持する)ことです。
WordPressで言えば、WordPressのアップデートやプラグインのアップデート、データのバックアップなどは管理業務に入ります。
サーバー管理やドメイン管理(トラブルや大幅な変更が無ければ1年に数時間の作業で済む)も管理に含まれるでしょう。
- ある規準などから外れないよう、全体を統制すること。「品質を―する」「健康―」「―教育」
- 事が円滑に運ぶよう、事務を処理し、設備などを保存維持していくこと。「―の行き届いたマンション」「生産―」
- 法律上、財産や施設などの現状を維持し、また、その目的にそった範囲内で利用・改良などをはかること。
運用に管理が含まれることはあっても、管理に運用が含まれることはないでしょう。運用することは管理業務の一部として出来るほど簡単なことではありません。
WEB制作会社と運用会社も違う
ついでにWEB制作会社とWEB運用会社の違いも。
WEB制作会社は簡単に言えば建築士がいる建設会社です。ビルを設計して(WEBデザイン、WEBディレクション)建てる(コーディング)までが業務範囲。(設計と建築が別会社の場合もある)その後のビルをどうするか、どんな会社を入れるかなどは範疇ではないでしょう。(トータルコーディネートしているところもありますが)
WEB運用会社は建ったビルをどうするのか、不動産会社と似ているかもしれません。ビルの空きフロアに会社を誘致するためにどうするか、誘致した会社の満足度を上げる為にはどうするか、などビルが建った後のことを請負う会社です。
運用の中には管理業務も含まれることが多いので両者が同一のように認識されているのでしょう。
ちなみに私が本業としているのはWEBサイトの運用です。WEBサイトの制作もできますが、自分がもっともお客様の役に立てる領域ではないのでやっていません。