こんにちは。遠藤(@Satoshi_Endo_jp)です。今回の内容は、ソーシャルメディアやSNSに取り組んでいる企業の担当者の方なら、すでに理解している(気づいている)方も多いでしょう。
WebサイトのPV論争と同じく、ソーシャルメディアやSNSにおいても「いいね数」や「フォロワー数」を指標として使うことについて議題になることがありますよね。
SNSマーケティングにおいては、単純に「いいね数」や「シェア数」だけを見て判断してもいい場合(とにかく多くの人に認知してもらいたい、雰囲気を作りたいなど)もあるでしょう。しかし、コンテンツマーケティングにおいて、1つ1つの「コンテンツ」の出来の良し悪しを、できるだけ正確に評価をすることは、とても重要です。
では、コンテンツの出来を評価するためののデータとして「いいね数」や「シェア数」を、そのまま鵜呑みにしてもいいのでしょうか?
今回は、あくまでも、単純に1つ1つの「コンテンツ」の出来を評価することが、今回のメインテーマです。
SNSの「いいね数」はコンテンツの評価に使えるのか?
SNSでの「いいね数」が多いコンテンツは、本当に出来の良いコンテンツと言えるのでしょうか?逆に言えば、SNSで「いいね数」が少ないコンテンツは出来の悪いコンテンツなのでしょうか?
コンテンツを評価する際に、安易に「いいね数が多いから良い!」という判断をしてしまうのは、大きな評価ミスを生んでしまうことがあります。
いいね数やシェア数などの「数」だけを見るのは危険
いいね数やシェア数、コメント数などの「数」だけを見て、コンテンツを評価することはできません。
なぜ、いいね数やシェア数では、そのコンテンツを評価できないのでしょうか。
人脈やつながりの数に影響される
友達や知り合いが多い人や、人脈が広い人は、FacebookやTwitter、Instagramでのつながりの数も多いことがあります。
その、つながりの多さによって、コンテンツへの「いいね数」も多くなる場合があります。
これは「いいね」の理由が、つながりによるものであって、そのコンテンツの内容やできがいいからではありません。
他にも、何かしらのグループやオンラインサロンなどで「みんなで、いいねしよう!」とか「参加者同士でいいねしよう」などの動きがある場合に、そのコンテンツの内容や出来に関係のない理由で「いいね」や「シェア」「コメント」がされることも十分にあり得ます。
遠藤聡
グループによる「相互いいね」に、SEOの「相互リンク」をしているリンクファームが思い浮かぶ方もいらっしゃると思います。私も、全くもって同質のものだと思っています。
また、つながりの理由にも注目すべきでしょう。なぜ友達が多い(フォロワーが多いのか)についても考慮すべきです。宗教やネットワークビジネス、自己啓発などに属しているのが、友達が多い理由である場合に、そこから生まれる「いいね」には、コンテンツの出来が関係ない場合が多々あります。
いいね数やフォロワー数は買える
これは何年も前から問題になっていることですが、Facebookにしても、Twitterにしても、Instagramにしても「いいね」や「シェア」「フォロー」などを、お金で買うことができてしまいます。
わかりやすい例だと「ココナラ」というWebサービスで「フェイスブック」や「インスタグラム」で検索をすると「いいねをします」という出品が見つかります(数年前に比べて、かなり減って、今ではほとんどありません。ココナラも対策をしているのでしょう)。
また「SNSマーケティング」と謳っている会社の中には、自動、あるいは機会的に「いいね!」や「フォロー」を増やすツールを提供しているところも、残念ながらあります。
遠藤聡
個人的には、なんとも不純なサービスだし、裏を返せば「良質なコンテンツを作ることができない」と公言しているなーと眺めています。そもそもSNSマーケティングと言えるのか…
このように「いいね」や「シェア」「フォロー」の数を、お金で買うことができてしまい(操作できてしまう)、そこに、コンテンツの質は全く関係ありません。
コンテンツの内容に関係なく「いいね!」は押される
SNSでの「いいね」は、そのコンテンツがいいときだけに押されるわけではありません。「いいね」を押す理由はたくさんあります。
例えば、知り合いの投稿だから、とりあえず「いいね」を押したり、その人を応援するつもりで「いいね」を押すこともあるでしょう。
ほかにも、コンテンツを消費する前に「いいね」を押している場合もあります。Twitterで、記事コンテンツに対して「いいね」を押すタイミングのアンケートをしたところ、記事を読む前に「いいね」を押している人が多いという結果になりました。
🚩教えてください🚩
シェアされたニュースやブログ記事に対して、
あなたは、いつ「いいね」や「リツート」をしていますか?#アンケート #アンケート調査— 遠藤 聡@WEBマスターの手帳🔖 (@webmaster_note) 2017年11月15日
「いいね」は、良くも悪くも、気軽にできるアクションであることを意識しておきましょう。
どうやってコンテンツを評価したらいいのか
Webサイトやオウンドメディアであれば、Googleアナリティクスなどを使って、そのコンテンツの分析(滞在時間や離脱率など)をするべきでしょう。
他にも「Ptengine」などの「ヒートマップ」を使って、コンテンツがどこまで読まれたのか(消費されたのか)を見ることも必要になります。
いいね、シェア、コメントの内容をチェックする
「いいね」「シェア」「コメント」を、コンテンツの評価に使うには、その「質」を分析する必要があります。
例えば「いいね」を押しているアカウントはどんなアカウントなのか、シェアは誰が、どんな形でしているのか、コメントの内容などを、しっかり見るようにしましょう。
いいね!を押したアカウントをチェックする
大事なのは「いいね」を押してくれたアカウントが、どんな人なのかを確認して、そこから「いいね」などの質を評価することです。
何百もある「いいね」を1つ1つ確認することは大変な作業ですが、どのSNSでも「誰がいいねを押したのか」を一覧でみることができます。ザッと目を通して、確認するだけでもやっておくべきでしょう。
コンテンツの成果をハッキリさせておく
何よりも大事なことは、コンテンツを投稿する前(正確には作成する前)に、そのコンテンツを投稿する理由を明確にすることです。
最低でも、次の2つはハッキリとさせておきましょう。
- 誰に対するコンテンツなのか
- そのコンテンツを通して得たいものは何か(認知?販売?)
安易に「数」で評価するのではなく、上記のような項目から、コンテンツが適切に役目を果たしているのかをチェックして、コンテンツを評価しましょう。
いいね数やシェア数だけで判断する「リスク」を忘れずに
ここまで、ゴチャゴチャと書いてきましたが、とにかく、コンテンツを評価するときに「数」だけで判断するのはやめましょう。もう一歩踏み込んで「いいね」の質をチェックしたり、コメントの内容をチェックすることを心がけましょう。
もちろん「いいね数」や「シェア数」をチェックすることが必要のないことかといえば、数をチェックしておくことも大事なことです。ブランディングや認知拡大やPRにおいては、いいね数やシェア数だけを見るだけでもいいかもしれません。
認知を広げても、売上が立たなければ、企業は成り行かなくなってしまいます。投資はリターンがなければ、ただの消費(損失)です。コンバージョン(成果や利益)から目を背けてはいけません。現に、認知拡大としては成功したけど、その認知が売上につながらなかった例は、たくさんありますよね
認知を広げるにしても、しっかりと評価に使えるデータは何なのかを意識して、ソーシャルメディアに取り組んでいきましょう。
遠藤聡
なんだか、数を重視するのは、SEOで、被リンクの数が重視されていたことを思い出します。そして、その後どうなったのか。検索アルゴリズムが変更になって、どうなったのか…