インバウンドマーケティング、コンテンツマーケティング、オウンドメディアといった言葉を頻繁に耳するようになりました。
頻繁に耳にするようになりましたが、何百万PVを獲得!や数百万回の動画再生回数を獲得!という、いわゆる雑誌社的なメディアもオウンドメディア、雑誌などメディア事業を本業としない企業が運営する企業ブログもオウンドメディア。
コンテンツマーケティングも本来の主旨まで進むことなく、いわゆる第1フェーズまでしか語られていないことも多いです。
それぞれの発言者によって言葉の定義がバラバラになっており、メディア事業やWEBマーケティング事業を本業としない中小零細企業にとって「けっきょく何をすればいいの?」「企業ブログを始めたいけど、どうすればいいの?」と混乱が生まれ始めているように感じています。
そこで今回は、遠藤聡が考える「企業ブログの始め方」について解説(細かく全てはページ数がとんでもないことになるので全体像レベルで)したいと思います。
企業ブログの始め方
企業ブログとは「企業が所有(運営に関わる全ての決定権を持っている)しているブログ」です。
企業ブログの種類には「IR向け広報ブログ」など、企業の売り上げることを目的としないものもありますが、今回は「企業の売上をあげることを目的としている企業ブログ」の話をしたいと思います。
①目的やコンセプトを決める
企業ブログを始めるには、まず「目的」と「判断基準」を具体的に決める必要があります。もちろん企業が営業目的で運営するわけですが、ブランド認知を広げたいのか、見込み顧客のリストを獲得したいのか、商品の購入に繋げたいのかなど目的を具体的に考えましょう。
目的を考えたら、その目的が達成されているかどうかをチェックするための判断基準を決めます。どうなったら目的が達成されたといえるのかを考えましょう。
またターゲット像(ペルソナ)も決めましょう。企業ブログに限らず「誰に向けたものか」がわからないと、取り組み自体がボヤケてしまいます。
ターゲット像とともに、自社の企業ブログがターゲット像にとって、どんな存在になるのか、どんなメリットを提供するのかなどのコンセプトを考えましょう。
コンセプトとは企業ブログの理念です。企業の理念をコロコロ変えないように、企業ブログの理念もコロコロ変えるべきではありません。また今後の全てにおいて理念に沿っているかを重視してください。
②コンテンツを考える
企業ブログの目的やコンセプトが決まったら、ターゲット像に提供するコンテンツを考えましょう。
ターゲット像が必要としている情報、ターゲット像にとって役に立つ情報は何かをリストアップしましょう。この時に「カスタマージャーニー」に沿って以下の各段階ごとに考えるといいでしょう。
- 商品を知らない
- 商品を知っている
- まだ商品を購入していない(他と比較している)
- 商品を購入した
- 商品を使っている
- 商品を愛用(リピート使用)している
ターゲット像が必要としている情報がリストアップできたら、それらに対して自分たちが提供できる情報を考えましょう。自分たちが答えられないことを無理に答えようとする必要はありません。
自分たちが提供するコンテンツ(情報)がわかったら、それをカテゴリー分けをします。企業ブログ内で情報が散らかっていたら、訪問した人はどこにどんな情報があるのかがわかりません。オフィスで書類をフォルダ分けして整理するように、コンテンツのカテゴリー別けをしましょう。
③プラットフォームを準備する
コンテンツの企画ができても、実際のWEBサイト(プラットフォーム)がなければ、コンテンツを「見せる場所」がありません。
私は、WordPressをオススメしますが、絶対にWordPressでなければいけないということではありません。自分たちの社内事情や運営体制にあわせて選んでください。
またレイアウトは、企業ブログの目的が果たせるように導線を設計しましょう。メールマガジン登録してもらいたいのに、メールマガジン登録フォームまでの導線がなかったり、わかりづらくなっていたりということがないようにしましょう。
企業ブログのプラットフォームと併せて、ソーシャルメディア(FacebookページやTwitterなど)の企業アカウントも準備しましょう。すでに企業アカウントがある場合は、企業ブログとどう連携していくのかを考えましょう。
④企業ブログの運営を開始する
プラットフォームの準備ができたら、企業ブログの運営をスタートしましょう。企業ブログで更新が止まる、運営が滞るのは致命傷になりますので、絶対に更新を止めないようにしてください。
最初から100点満点で「成功事例」として紹介されるようなことはほとんどありません。成功事例として紹介されている企業も成功するまでに「行動」を積み重ねています(お金に物を言わせていない限り)。
あれやこれやと会議室で考えているよりも、実際にやってみたほうが早く結果が分かります。仮説を立てて、実際の取組みを通じて仮説検証をして、企業ブログを成長させていきましょう。
実際に運営をしていけば、目的に対して設定した目標が正しかったのか間違っていたのかも分かります。判断基準そのものが間違っていることもあるでしょう。想定外のターゲット像が出てくるかもしれません。
なんにしても「行動なくして成果なし」です。
知識が足りていなかったことで失敗しないように
企業ブログで正の成果を出すには「WEBマーケティング」「インバウンドマーケティング」「コンテンツマーケティング」「ダイレクトマーケティング」「消費者行動」など様々な知識が必要です。
聞きかじった程度の知識では完全に不十分です。本を読んだり(自分が一番オススメするのは本を読むことです)、講座を受講したりなど、積極的に勉強をしていってください。
【動画講座】中小零細企業のための企業ブログの始め方
企業ブログを作りたいけれどよく分からない、効果的に活用したいという中小零細企業の方へ、企業ブログの始め方から実際の運営までの流れと、実践的な知識を解説します。
このコースでは、初級者向けに「企業ブログとはそもそも何なのか、なぜ必要なのか。企業ブログで何をするのか」というところから理解し、企業ブログを活用するために必要な知識、企画・設計の方法やコンテンツの考え方、実際の構築から運営のポイントまで、一連の工程を解説しています。