WordPressは良くも悪くも、ちょこっと勉強すればWEBサイトを作れるようになるので、「WordPressでホームページ制作します」という人や会社が当人の能力に関係なく大量発生しているのが現状ですね。
商用利用可能なテーマを格安で販売しているところもあるので、既存のテーマを使えば「文字と画像の差し替え」だけでホームページが作れてしまいます。
誰もが、そんなレベルで作ったWEBサイトで「WEBサイト(ホームページ)だけで集客しています!」とか「商品が飛ぶように売れています!」と成功していたら、そもそもこんなにWEBマーケティングで困っている人、うまくいっていない人が多いわけないんですけどね…
WEBサイトといっても「目的を達成できるWEBサイト」なのか「形だけのWEBサイト」なのか種類は沢山ありますから。
「WordPress=SEO最強」と言うのはほぼ詐欺
あえて「詐欺」という暴力的な言葉を使いました。まずWordPressでWEBサイトを作る理由が「SEOに強いから」は安易な発想であり素人考えだと思っています。プロであれば仮にSEOを最重要事項としたとしてもWordPress以外の選択肢があるはずです。
詐欺紛いの事を言っている人たちは、きっとどこかのセミナーで「WordPressでWEBサイトを作るとSEOに強いですよ」と聞きかじったのでしょう。なぜWordPressがSEOに強いのか、何と比べて強いのかなど全然理解していない。「なんでWordPressはSEOに強いのですか?」と質問して具体的な返答がない。
そもそもSEOを真っ当に勉強されている方なら、SEOで何が大事か(ホワイトSEO)は理解していると思います。最も大事なものはコンテンツですよね。コンテンツを入れる器ではありません。
WordPressで作ったWEBサイトがコンテンツが空っぽなのに、Google検索で上位表示するのなら「WordPressで作ればSEOに強い」という理論も成り立つかもしれませんが、今のご時世でそれはあまりにも思考がブラックSEOですし、ありえません。
それに本当にSEOができるのならWordPressであろうが他のCMSであろうが、手打ちでゼロから作ろうが関係ありません。
なぜWordPressを使うのか
そもそもなぜWEBサイトを作るのにWordPressを使うのでしょうか。それはCMSであるからですよね。
毎度毎度、HTMLを作って、FTPソフトを使ってデータをサーバーにアップロードするという手作業の手間が省ける。なおかつ知識を持ち合わせていない素人でも運営ができます。
ブログを投稿したり、固定ページを増やしたりなど更新も非常に全てを手作業でやる場合に比べて非常に楽です。自分のようにゼロからコーディングするのがメンドクサクてモチベーションが上がらないような怠け者には最高です。笑
ただし「楽にできる=完璧にできる」ということではありません。この2つは全く別の話です。多くの人が「楽に、しかも完璧にできる」と勘違いしていますが、それは幻想です。
WordPressを使ったからといって「ライティング(文章を書く)」が完璧にできるわけではありません。数千万円の予算が投じられたWEBサイトと同じものができるわけがありません。今まで売れなかった商品が大流行するわけではありません。
なぜWordPressがSEOに強いのか?
なぜWordPressがSEOに強いのかと言うと「GoogleのGoogleのスパム対策チームのリーダーであるマットカッツ氏が良いと言っているから」では陳腐ですね。
WordPressはSEO(サーチエンジン最適化)の手法の80%~90%に対応するように作られています。/WordCamp San Francisco 2009でのマットカッツ氏の講演より
WordPressを使うと、WordPressをインストールしただけの初期状態においてSEOに必要な最低限の内部対策をWordPressが既にやってくれています。
最終的にはSEOできる人が作るWEBサイトは何を使っても同じだと思いますが、そこまでの過程の楽さが違います。
一生懸命に手作業でHTMLをコーディングして、フォルダ構造を設計してと頑張るよりも遥かに楽です。WordPressのインストールファイルを解凍してフォルダ構造を見てみると、とても整理されていて分かりやすい構造になっています。
またphpを使っているので共通項の管理がしやすく、カテゴリーが使いやすい、内部リンクが作りやすいなど、まさにコンテンツ管理が非常にやりやすいですね。
ですが、マットカッツ氏も「対応するように作られている」と言っているように、対応しているわけではありません。つまり必要最低限がクリアされているだけで、SEOが完璧であるかというとそうではありません。というのもクリアされているのは「家」でいうと梁などの骨組みのことであって、内装やインテリアなどは別の話だからです。
柱や断熱材、コンクリートがむき出しで、床板もなく内装がまったくほどこされていなくて「この家は凄く住みやすいですよ!」って言われても困っちゃいますよね。
テーマ次第
WordPressでのSEOを考える上で、もっとも重要なのは「テーマ」です。テーマがSEOできていれば良いですが、できていない場合はWordPressがクリアしたSEOは帳消しになります。
WordPressで作ろうが手打ちで作ろうが、WEBページであることに変わりはありませんので、SEOを理解している方であれば「テーマ次第だな」というのは理解されていると思います。
「SEOに強いテーマ」という分類があるぐらいです。テーマ選びは命がけです。
見た目を重視して、ソースコードがぐちゃぐちゃで綺麗ではなかったり、不必要なソースコードが多すぎたり、ソースコードの書き方がSEOできていなかったりと、SEO的に全然ダメなテーマも沢山あります。
パンくずナビが無いテーマもありますし、h1タグとpタグの配置やhタグの使い方がなっていないテーマも沢山あります。
コンテンツ次第
そしてWordPressのテーマ選びが完璧でも、コンテンツがク◯だとどうしようもありません。誰かの役に立つコンテンツしか評価されませんし、どれだけ親切丁寧で思いやりがあるかも求められます。
まとめ
WordPressでWEBサイトを作るのはSEOで有利というのは事実です。事実ですが正解ではありません。なぜならWEBサイトを構築する初期段階に置いては他の場合よりも有利ではありますが、どう使うか、どのように完成させていくのかによって、有利であり続けるかどうかは変わるからです。
そしてWordPressとはCMSの1つであり、WordPressという「仕組み」を使ってもSEOが完璧にはならない。テーマが酷かったり、コンテンツがスカスカだったりではSEOできません。
またSEOでの成功には、どんな検索キーワードで上位表示を狙うのかというキーワード選定やSEOライティングなど必要な項目が沢山ある事をお忘れなく。
SEOは沢山の参考図書が出ているし、セミナーも沢山ありますが、正直そんなに簡単なものでも楽なものでもありません。日々の精進の賜物です。
そしてWEBサイトのゴールはSEOではありません。SEOができていなくたってWEBを活用している会社は沢山あります。
【余談】依頼したくないWEBサイト制作会社
以下はこの記事を書くキッカケになった某WEBサイト制作会社を見て「依頼したくないな」と思ったポイントです。
事例が酷すぎる
ニワカというか素人というか詐欺というか「依頼したくないな」と思う会社や人に限って「SEOの成功事例」が酷い。
「固有名詞(個人名、商品名、会社名)で1位に表示!」って当たり前ですよね。それはSEOの成功事例ではなくて、WEBサイトとして当たり前のレベルですよね。
大事な事はWEBサイトの目的を果たすために必要なアクセスが得られる検索キーワードでの検索結果で上位表示しているかどうかです。
KPIとして「◯◯ △△」という検索キーワードでの上位表示と設定するのはありだと思いますが、それが達成されても成功事例にはならないですよね。上位表示してもKGIが達成されていなければ、どれだけSEOで上位表示しても意味ないですから。
PVを押してくる
PV(ページビュー)で「凄いでしょ!」とうたってくる人たちもいるのですが、騙されないでくださいね。PVなんてFacebook広告などを使えばいくらでも増やせるし、PV自体の操作なんて簡単ですから。
それに瞬間的にページビューが増えるなんてことはよくありますし、「ある1日だけ多くて、翌日以降はほとんどない」というのもよくある話です。僕はそんなものは「麻薬」と同じだと思っています。瞬間的に気持ちがいいだけで、あとで倍返しの反動がある。
なので僕は「1ヶ月後も3ヶ月後も安定してアクセスがあること」を基準にしています。もちろん時期の流行り廃りは考慮してます。