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2015年9月15日

オウンドメディアを手放す「分散型メディア」について疑問と危惧を感じつつ思うこと、考えること。

今年の5月に参加した「iMEDIA SUMMIT」でも「NowThis」を例に「分散型メディア」の話が出ていました。その時にも、これからの中小企業における「情報発信と新規顧客の創出」がどうなっていくのかをあれこれ考えています。

GaiaXさんの「オウンドメディアはもういらない?ソーシャルメディアを活かした『中心のない分散型メディア』の未来」を拝読して、あれこれ思考にふけったので、忘れないように自分の考えを書き残しておこうと思います。

GaiaXさんの記事はオンライン上のマスメディア(バイラルメディアやニュースメディア)におけるオウンドメディアのことが話されていますが、オウンドメディア関連の情報に触れる時は「どんな業種のオウンドメディア」の話なのかを意識しておく必要があります。

僕はあくまでも一般的な中小企業におけるオウンドメディアを考えていて、インバウンドマーケティングの戦法としてのオウンドメディアと考えているため、オウンドメディア=ニュースメディアとしてマネタイズする必要があるという話には、1歩下がってみるようにしています。



オウンドメディアからの脱却した「分散型メディア」

分散型メディアというのは、自社でWEBサイトを保有せず(オウンドメディアを持たず)に、FacebookやTwitter、YouTubeなどの各ソーシャルメディアのアカウントで完結させるメディアのことです。

メディアとは

そもそも「メディア」とは何なのか、その定義をおさらいしておきます。

メディアとは、媒体、媒質、伝達手段、中間などの意味を持つ英単語。“medium”の複数形。

情報を人々に伝える機関や事業、システムなどをメディアという。近年ではインターネット、Webサイトなども一種のメディアとみなされるが、大勢の人に向かって一斉に情報を発信する新聞や雑誌、テレビ、ラジオなどのマスメディア(mass media)の意味で用いられることが多い。/引用元:メディアとは:IT用語辞典

ニュースメディア事業なら分散型メディアになっても良い

うまく説明できないのですが、いわゆる新聞やTV、ニュースサイトのようなジャーナリズムがある「出来事や情報を人々に伝える事業(マスメディア的存在)」であれば、分散型メディアになるのは、なにも問題ないと考えています。

中小企業のWEBサイトがメディア化する必要はあるのか?

しかし、それが日本の中小企業の各社がメディア事業を立ち上げて、メディア運営自体でもマネタイズをしていくべきなのかと聞かれたら、僕は「その必要はない」と答えます。

中小零細企業において、オウンドメディアを持つ目的は、オンライン上のTV局や新聞社になることなのか?それとも仕事の依頼を得ることなのか?と考えたら、後者ではないでしょうか?

一般企業にとっては売上げを増やすことが一番のWantでしょう。売上げがあがるなら、自社の理念やビジョンを無視しても構わないというのなら話は変わるかもしれませんが。

昨年あたりから日本でも流行り始めたコンテンツマーケティングの一環とも言えるこの仕組みは、自前のメディア(=オウンドメディア)を持って情報発信し、顧客と良好な関係を築くことで収益につながる行動を誘引することを目的としています。/引用元:オウンドメディアはもういらない?ソーシャルメディアを活かした『中心のない分散型メディア』の未来

僕がオウンドメディアブームを見ていて、一番、違和感を感じるのは「目的」です。目的はそれぞれ違っていいと思うのですが、オウンドメディアというかコンテンツマーケティングは、WEBサイトへの流入を増やすためだけと思っている人が意外と多いように感じています。

WEBサイトへ流入を増やすためというのは、”被リンクを沢山貼れば検索結果で上位表示するのでWEBサイトに人がたくさん来てくれますよ”という「スパム思考」の延長である気がしてなりません。

僕は「オウンドメディア」というのはインバウンドマーケティングという戦略における、コンテンツマーケティングという戦術に対してオウンドメディアを使うという戦法を用いるという意識でいます。

そのため、オウンドメディアの目的には「顧客との関係構築」もありますが(顧客やファンの人とよりよい関係を築くことは、とても大事)、なによりも見込顧客に集まってきてもらい、集まった人をリスト化して、顧客へと導いて行くという流れを生み出すことが目的になっています。

そのため、メディア事業を持たない中小零細企業においてまで、オウンドメディア単体で広告収入を得たり会員制にしたりしてマネタイズするのが当たり前というイメージが広がることに、疑問を感じずにはいられません。

オウンドメディア=ニュースメディアになりすぎていないか?

オウンドメディアに誘導することで、広告料で収益を出すウェブメディアに最適な構図となっている/引用元:オウンドメディアはもういらない?ソーシャルメディアを活かした『中心のない分散型メディア』の未来

まさに自分が危惧していることはこれなのです。今のオウンドメディアをカオス化させているのは「オウンドメディア」という言葉の定義が広すぎるがゆえに、オウンドメディア=オンライン上のマスメディアとしか認識されなくなりつつある。

ニュースメディアのオウンドメディアも、一般企業のオウンドメディアも明確な区別なく、同様に取り上げられていると強い違和感を感じます。

ニュースメディアと町工場とでは、オウンドメディアの形は全く異なるでしょう。目的だって当然異なりますし、ターゲットとなる人も当然異なるでしょう。

ポイントは、どちらか好きな方を選べるのは現在の話で、今後メディアのあり方は「分散型」に変わっていくだろうと予測されているということです。つまり、好む好まざるに関わらずコンテンツマーケティングのかたちは変わっていくと考えて運用していった方がいいことになりますね。/引用元:オウンドメディアはもういらない?ソーシャルメディアを活かした『中心のない分散型メディア』の未来

↑これは、まさにバイラルメディアやニュースメディアでの話だと僕は考えています。

「メディアである」と意識することは大事

ニュースメディアではない、一般的なオウンドメディアにおいても、コーポレートサイトではなく、会社が運営しているメディアだという意識は運営側に必要だと思います。

NewsPicksのように、1つ1つのWEBコンテンツの価値を上げて「お金を出してでも読みたい!」と思われるWEBコンテンツを作っていくことは、いかなるオウンドメディアでも重要だと思っています。

しかし、中小企業がNewsPicksのようなメディアになる必要があるかといえば、そうではないと思うわけです。

そもそも中小企業にどこまで出来るのか

分散型メディアを運営しようと思ったら、WEBコンテンツを各ソーシャルメディアに合わせた形に加工しなければいけません。

そうなると、より一層に社員が片手間に運営するというわけにはいかないでしょう。通常のオウンドメディアでさえ編集長がいて、ライターがいるような専用の運営チームが必要(担当者が1人で頑張っているところがまだまだ多いですが)なのに、さらに各ソーシャルメディアにWEBコンテンツを最適化できる人材も必要になるわけです。

そこまでの予算を中小企業が投入することが出来るのかどうかを考えると、なかなか難しいように思います。社員数10名の会社がオウンドメディアを運営するために新たに専任スタッフを10名雇うことが現実的かどうかですね。

WEBコンテンツを蓄積できない怖さ

企業が保有するWEBサイトがあれば、WEBコンテンツを蓄積しておくことが可能です。

特にメディア事業以外ではWEBコンテンツとは、自社の大切な財産です。それを自社の管理外で保管するというのは、デメリットが大きいように思います。

ニュース性が高い内容であれば、消費期限も早いですが、中小企業が社内のノウハウや経験などをもとに作ったWEBコンテンツは1日で消費期限を迎えるような情報ではないでしょう。それを自社で管理しないのは、リスキーでは?と考えてしまいます。

体系的に情報を見ることができない

僕は、WEBコンテンツをある程度、体系化された状態で見たいと思うことがあります。WEBサイトで情報が整理され、適切にカテゴライズされていることに価値を感じます。

毎日、届く新聞でシリーズ化された情報を読んでいたとしても、それが1つにまとめられた本が出版されれば、きっとその本を購入するでしょう。

分散型メディアの場合は「WEBコンテンツ(情報)」が、とっ散らかってしまい、結局「まとめる」必要性が出てくるように思うのです。

「検索」がなくなる日は本当に来るのか?

・メディアの飽和とコンテンツ消費の変化により、SEOに頼って着地ページ(オウンドメディア)で稼ぐ従来の仕組みは、将来性がない

・検索エンジンのアルゴリズムが変わることによる影響が大きい。そもそも検索という仕組みの重要性が減っていく可能性がある
/引用元:オウンドメディアはもういらない?ソーシャルメディアを活かした『中心のない分散型メディア』の未来

本当に「検索」という行為は減るのでしょうか?検索をしないということは、探さない、求めないということです。簡単にいえば草食系ということ。

パーソナライズされて、情報を受け取るだけというのは、あまりにも人間性がない。もし本当に「検索」という行為が減るとしたら、それはWEBうんぬんではなく、人間の未来がないと僕は思っています。

またSEOに対する僕の主張については「SEOは時代遅れ的な風潮が全然クールじゃない問題について」をお読み頂ければと思います。

終わりに

GaiaXさんの記事を種に、話を広げちゃいましたが「オウンドメディア」という言葉が一般化されていない今において、あまりにも「オウンドメディア」が混沌としているなと感じているので、このような記事を書きました。

最後に、もう一度書きますが、僕はあくまでも一般的な中小企業におけるオウンドメディアを考えていて、インバウンドマーケティングの戦法としてのオウンドメディアと考えているため、オウンドメディア=ニュースメディアとしてマネタイズする必要があるという話には、1歩下がってみるようにしています。

僕の考えがトンチンカンな方を向いている可能性も大いにありますので、あなたはどう思うのか、どう考えるのかをぜひコメントして頂けたら嬉しいです。

この記事をシェアして頂けると嬉しいです


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この記事を書いた人

遠藤 聡
中小企業のWEB担当者&ソーシャルメディア担当者としてWEBサイトの管理運用から企業ブログ、Facebookページ、Twitter、YouTubeチャンネルの管理運用(企画&実施)を行なっております。 具体的なサービス内容はサービス詳細ページをご覧ください。

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