以前に芸人の出川さんが「視聴者はサメが近寄ってくること見慣れている」と言っていたと友人が話していました。
これはWEBでもよくあることだと思う。爆速で変化するWEBではなおさら「見慣れる」が起こっている。特に視覚にアピールする動画、写真は顕著。
今回は個人的な見解をメモ書きしておこうと思います。
視聴者は見慣れる
僕らが日々どれだけ大量の情報と出会っているのかを想像してみよう。特にWEBのアクティブユーザーともなれば、FacebookやTwitter、Google+のタイムラインにながれてくる投稿、スマホで目に触れるニュースの数々、RSSで流れてくるブログの投稿。
接触した数を「見たことある数」だとするならば、インターネットが無かった時と比べ、僕らには有り得ないぐらいのスピードで経験が蓄積されている。
ちょっとでも見覚えのあるものには、反応しづらくなくなっている。
関心を持つには驚きが必要
興味を示してもらう(関心を持ってもらう)には意外性が必要。特にWEBのように「出会った瞬間」に判断されてしまう性質の場合は尚更だと思う。
アイディアを伝えるための本として有名な「アイディアのちから」では「記憶に焼きつくアイディアの六原則」として次の6つを挙げています。
- 単純明快である
- 意外性がある
- 具体的である
- 信頼性がある
- 感情に訴える
- 物語性がある
この本の「第二章:意外性がある」のなかで著者のチップ・ハース氏とダン・ハース氏は次のように言っている。
コミュニケーションにおける最初の問題は、相手の関心をつかむことだ。/引用元:アイディアのちから
そして、関心をつかむポイントとして「誰も予想しない」ということ、つまり「驚き」があることを挙げている。
人を驚かせるためには、先が読めてはならない。驚きは、予測可能性の対極にあるものだ。/引用元:アイディアのちから
今は有効でも、すぐに期限切れになる
人は、けっこうすぐに見慣れる。「興味を持ってもらう」「関心を持ってもらう」「惹き付ける」などの方法として、見慣れてしまうリスクを抱えているものは多いと思う。
みんなが同じことをしはじめれば見慣れる。視覚的な方法は見慣れたら効果は薄れる。
YouTubeのサムネイル画像
YouTubeに動画を投稿する時にはサムネイル画像を作ることが当たり前となっている。特に「顔のアップ」「大きな文字」「見ただけで誰の動画かが分かる工夫」などは有効策として言われている。
みんなが同じようなサムネイル画像をつけ始めたら、なにもしていないサムネイルが目立つかもしれない。人の顔がない方が目立つかもしれない。
Instagramの写真
写真にオシャレなエフェクトをかけられるインスタグラム。ただ撮った写真ばかりが投稿されている中でオシャレなエフェクトがかかっている写真は目立った。
でも、みんなが同じようにエフェクトをかけはじめると、逆にエフェクトがかかっていない方が目立つようになる。
FacebookやTwitterに投稿する動画
FacebookやTwitterも動画対応を進めている。特にFacebookは邁進している。でもFacebookのタイムラインに動画投稿が流れてくることも、「自動再生」にも、みんな慣れた。
Facebookに投稿されてシェアされる動画は一様に始めてみた人への驚き要素がある。パッと見た瞬間に「えっ!」「おお!凄い!」と驚くものばかり。
Vineで人気になれる力が必要
瞬間勝負ということであれば、Vineでファンを集めている人は、他のソーシャルメディアでファンを集めて人気になっている人とは視覚的な惹き付ける力は別格なんだろうと思う。
もちろんVineで人気になった人がYouTubeで人気になれるわけではないだろうし、ブログで有名になるわけではないと思う。それでも6秒で勝負をしている人たちは凄いと尊敬する。
現状維持とは後退だ
見慣れるだけではない。人は「慣れる」。初めて海外で暮らしたときに一番感じたこと。それは「人間の適応能力」
適応するというのは「慣れる」ということ。どれだけWEBコンテンツを見ている人に「驚き」を与えられるか、驚いて見に来た人をどれだけ引き止めていられるか。
ディズニーランドが常に新しいアトラクションを作り、新しいパレードをしているのも、芸能人の人が1度着た衣装を2度着ないように、WEBという激流のなかにいる僕らも同じことを2度してはダメなんだろうと思う。
常に変化し続けなければダメなんだろうと思う。