こんにちは。遠藤(@webmaster_note)です。2020年10月28日に、白石麻衣(乃木坂46)の卒業コンサートがありました。この卒業コンサートはオンライン配信で行われたたのですが、なんと卒業コンサートの根幹を揺るがすトラブルがありました。
そのトラブルは、配信プラットフォームの1つである「RakutenTV」が、アクセスが集中(同時に多くの人がアクセスをした)したことにより、配信ができない状態になってしまったのです。
そのトラブルから、Web担当者として何を学ぶことができるのでしょうか?
白石麻衣の卒業コンサートでRakutenTVが犯した大失態
まずはRakutenTVが犯した大失態(トラブル)について、説明をします。
WEBマスターの手帳をフォローしてくださっている方なら、ご存知の通り、私も乃木坂46ファンとして、モバイル会員チケットを購入し、RakutenTVで卒業コンサートを視聴しようとしていました。
ところが、配信開始時間になっても、配信ページが開けずエラーが表示されていました。
アクセスが集中したことにより、エラーが発生していたようです。
同時刻に、白石麻衣の卒業コンサートだけでなく、RakutenTV内の他番組でも視聴ページでエラーが発生していました。
卒業コンサートの開始時間を遅らせる対応などが取られましたが、結局、RakutenTVは、卒業コンサートの開始には間に合わず「見逃し配信(卒業コンサート終了後に最初から視聴できる)」という対応となりました。
私も視聴できないまま、Twitterを見ていたのですが、RakutenTVに見切りをつけて、正常に視聴ができていた「AbemaTV」や「LINEライブ」で、チケットを新たに購入して視聴するファンが続出していました。(私もその1人です。笑)
白石麻衣 の卒業コンサートが Rakuten TVのエラーで接続できないので、Twitterで「白石麻衣」と検索して、みんなのツイートをみて楽しんでいる。
— 遠藤聡😬ウェブ担当者・ネットショップ担当者の業務支援 フリーランス(7年目) (@Satoshi_Endo_jp) October 28, 2020
Rakuten TVは捨てた。
ある意味、さすがの楽天。笑乃木坂46白石麻衣 卒業コンサート @ABEMA で視聴中 https://t.co/8XAx2J8SF0
— 遠藤聡😬ウェブ担当者・ネットショップ担当者の業務支援 フリーランス(7年目) (@Satoshi_Endo_jp) October 28, 2020
このトラブルで乃木坂46は全く悪くありません。失態をしたのはRakutenTVです。
※その後、RakutenTVは、視聴状況に応じて「返金対応」をとっています。
この失態からWeb担当者が学ぶべきこと
さて、今回のRakutenTVの失態から、Web担当者は何を学ぶことができるでしょうか?私は「プラットフォームの安定していること」の重要性を改めて実感しました。
コンテンツを提供する舞台がダメになってしまうと、どれだけコンテンツの出来が良かったとしても、それは無になってしまいます。
白石麻衣の卒業コンサートも、配信する土台となるプラットフォーム(RakutenTV)が、アクセスに耐えきれず崩れてしまったことが、トラブルの原因です。
例えば、ネットショップにアクセスが集中して、ネットショップが表示されなくなってしまった(サーバーが落ちた)となれば、せっかくの商品も購入されずに終わってしまいます。
こういったトラブルは、よく起こるトラブルでもあります。
2020東京オリンピックのチケット販売でも、ウェブサイトへのアクセスが集中して、ウェブサイトが表示エラーとなっていました。
油断は禁物!中小企業でも十分に起こりえる同時アクセスによる表示トラブル
こういったトラブルが起こるほど、うちの会社は大きくないよと思うWeb担当者もいるかも知れません。それは考えが甘いでしょう。
このように、会社の規模に関係なく、ウェブサイトにアクセスが集中することは十分に起こりえます。
そして、アクセスが集中しているときに、ウェブサイトが機能しないというのは、多くの場合で「機会損失」です。
先の例でいえば、せっかくTVによって商品の認知が広がり、購買意欲がある人が来てくれているのに、購入できずに帰らせているわけです。こんな千載一遇の好機を無駄にしてしまうのは、大きな損失ですよね。
他にも、取り組んだウェブマーケティング施策が功を奏して、大きな成果をもたらそうとしているのに、受け皿となるウェブサイトがキャパオーバーになって、施策が無駄になってしまうかもしれません。
つまり、いかなるウェブサイトも、いかなるウェブマーケティングの施策も、すべては、ウェブサイトが安定している(表示される)上に、成り立っているわけです。ウェブサイトというプラットフォームが、正常に機能することが大前提なのです。
ウェブサイトがどれくらいの同時アクセスに耐えられるのか把握をする
では、こういったトラブルを防ぐためにWeb担当者として何をすべきなのでしょうか。まずは、ウェブサイトが、どれくらいの同時アクセスに耐えられるのかを把握することが必要です。
RakutenTVの、失態の1つとして「事前に想定できたはずなのに対応できなかった」ということがあります。白石麻衣の卒業コンサートのチケットは事前に販売をしていました。つまり、ある程度は、事前にどれくらいの同時アクセスがあるかは想定できたはずなのです。
プラットフォームとしてのキャパがわかっていれば、想定されるアクセス数に対して、プラットフォームとしてキャパオーバーになるのか、安定して配信ができるかは判断ができるわけです。
視聴チケットは国内で21万9000、海外で1万、累計22万9000売れた。推定視聴者数は68万7000人という。
乃木坂・白石麻衣 卒コン視聴者69万人に感謝「幸せが詰まった9年間でした」 (2020年10月29日) – エキサイトニュース
ウェブサイトでも、自社のウェブサイトは、キャパはどれくらいなのか?を把握していなければ、どれくらいのアクセスに耐えられるのかはわかりません。
同時アクセスによるウェブサイトのキャパを知る方法
ウェブサイトが、どれだけの同時アクセスに耐えられるか(表示できるか)を知る上で、必要な情報は次の2つです。
- サーバーの転送量
- ウェブサイト(またはウェブページの)のデータサイズ
サーバーの転送量
まず「サーバーの転送量」です。これは、ウェブサイトを表示するために使っているサーバーが、どれくらいの転送量まで耐えられるのかということです。
そうです。この「サーバーの転送量」のキャパが大きければ大きいほど、同時アクセスが増加しても安定してウェブサイトを表示することができます。
レンタルサーバーなどでは、転送量の上限(/日)が決まっています。例えばエックスサーバー
では、プランごとに転送量の目安が決まっています。
転送量の目安を超えてしまうと、制限がかかってしまう場合があります。
サーバーの転送量は、各々、使用しているレンタルサーバーなどで調べてください。契約しているプランによっても、制限を受ける転送量が違う場合があります。
ウェブサイト(またはウェブページの)のデータサイズ
サーバー転送量がわかったとしても、自社のウェブサイトが、どれくらいの転送量なのかを知らなければ、キャパは判断できません。
「ウェブサイトの転送量」は「アクセス数×サイトデータ量=ウェブサイトの転送量」で計算をすることができます。
例えば、Aというウェブページのデータサイズが900KBで、1日のアクセス数が1,000だったとします。そうなると、Aというウェブページの転送量/日は約879MBとなります。
ウェブページやウェブサイトのデータ量は「GTmetrix」を使うと簡単に調べることができます。
使用しているサーバーによって、日々、どれくらいの転送量なのかを見ることができる場合もあります。(例:エックスサーバーは、サーバーパネルの「アクセス解析」から、日別の転送量を調べることができます)
ウェブページだけでなく、ウェブサイト全体で1日どれくらいの転送量になっているのかを計算して、サーバー側の転送量の上限と比べて、どれくらいのアクセス数までは大丈夫なのかを想定しましょう。
万が一を想定して準備をしておきましょう
今回は、RakutenTVで起こったトラブルを例に、Web担当者として、ウェブサイトの保守管理の1つとして、ウェブサイトの同時アクセスに対するキャパについて書きました。
TVで取り上げられるなどの場合では、アクセスは集中しそうだけど、実際にどれだけの同時アクセス数になるかは推定しかできません。
オウンドメディアで記事がバズったときは、バズる予測や、どれくらいバズるかを事前に想定するのは難しいでしょう。
それでも、ウェブサイトを管理する担当者として、自社ウェブサイトのキャパを知っておくことは重要です。
そして、キャパが小さいなと判断したら、キャパを大きくすることも必要になるでしょう。
チャンスを掴めるのは、掴む準備ができているときだけです。せっかくのチャンスを無駄にしないように、しっかりと準備をしておきましょう!