Webマーケテンングにおいて「良質なコンテンツ」という言葉をよく耳にします。WebマーケターやWeb担当者であれば、日々「良質なコンテンツ」を作らねばと意識されていることでしょう。
SEOでは、とにかく「良質なコンテンツが必要!」と言われているので、良質なコンテンツは耳にタコですよね。
耳にタコだけど、良質なコンテンツって、なんだろう?と考える機会があったので、そのときに考えた「良質なコンテンツを構成する要素」をまとめておきたいと思います。
今回の記事では、Webサイトやブログだけでなく、YouTubeやポッドキャストなど、Webコンテンツを総合的に捉えたので、読者や視聴者ではなく、コンテンツを消費する人ということで「消費者」という言葉を使います。
良質なコンテンツの基礎となる要素
まずは、良質なコンテンツの基礎となるものです。これが抜けてしまっては良質なコンテンツには成り立たないだろうという要素です。
全ての要素が必要ということではなく、どれか1つは必ず必要ということです。
消費者の手間を省くもの
まず1つ目は、消費者の「手間を省く」ということです。
そのコンテンツを消費することで、さらに手間が発生してしまうのではなく、手間を削減できるものです。
例えば、ペペロンチーノが作りたいときに、ペペロンチーノの作り方が解説されているページを読んだとしましょう。ペペロンチーノを作るのに必要な素材や作り方だけでなく、その素材がどこで、幾らぐらいで手に入るのかまでわかれば、それは良質なコンテンツと呼べるでしょう。
もし、必要な素材が、特殊なもので、どこで手に入るのかがわからなければ、近くのスーパーや八百屋などをまわって、素材を探さなければなりません。(実際はパスタとオリーブオイルとニンニクと唐辛子だけなので、スーパーに行けば手に入ります)
そのコンテンツを消費しても、手間が残ってしまったり、新たな手間が生まれないことは、大事なことです。
消費者の困ったを解決するもの
2つ目は「解決するもの」です。これは、想像しやすいと思います。
商品の使い方がわからない、なにかのやり方がわからないときに、その解決方法を提供してくれるコンテンツは良質なコンテンツとなるでしょう。
解決方法が提供されているけど、消費者に疑問や不明点が残ってしまったり、誤解をしてしまって、スムーズな解決ができないようなことがあってはいけません。
消費者が、改めて別のコンテンツを探す手間がかからないように、そのコンテンツだけで、困ったを解決できるようにして、消費者が笑顔になれることが必要です。
もちろん、このためには、情報が正しいことが必須です。間違った情報では、最終的な解決はできませんよね。
消費者の欲求を満たすもの
どんなコンテンツでも、それが消費される(読まれる、視聴されるなど)には必ず理由があります。そして理由とは「欲求」です。
消費者は、悩みや困りごとを解決したいだけでなく、笑いたい、癒されたいなど、様々な欲求を持って、コンテンツに触れます。
この欲求に答えること、欲求を解消することが、できるものは、良質なコンテンツといえるでしょう。
コンテンツを消費しても、モヤモヤしていたり、スッキリしなかった、不満足だったといったことがないコンテンツづくりが必要です。
良質なコンテンツを支える要素
ここからは、良質なコンテンツを支える要素です。どんな家も基礎や柱だけでは、住むことはできません。家として住むには壁や屋根が必要です。
良質なコンテンツも基礎だけでは十分ではありません。
消費者が消費しやすいもの
どれだけ、情報が正しく、役に立つものだとしても、わかりづらい説明では、消費者はストレスを感じるでしょう。消費者がわかるように(伝わるように)、加工をすることは大事です。
美味しい料理だとしても、食べづらいものよりも、食べやすいもののほうがいいですよね。
消費者がコンテンツを消費しやすいように、わかりやすい、見やすい、読みやすいなど「体験」に、配慮することも必要です。
消費者が認知しやすいもの
コンテンツが認知しやすいということも、大事なポイントです。コンテンツの存在を認知できなければ、消費もできません。
せっかく役に立つ解説書があっても、本棚の奥にしまわれていて、必要な時に見つけることができなければ、本末転倒です。
また、そのコンテンツが、どんな内容なのか、なにが得られるのかが認知しやすいことも大事です。
本の表紙もタイトルも書かれていなかったり、それだけで内容がわからないようでは、自分が求めているものなのか、判断ができません。
多くの場合、先が見えないものは消費されません。コンテンツのタイトルや説明などで、事前に、消費者に対して、コンンテンツについての情報をしっかりと提供することが大事です。
消費者の未来をより良くするもの
ここは、私の個人的な考え方ですが、コンテンツを消費した後が、ハッピーになれないものは、良質なコンテンツとはいえないと思っています。
当たり前といえば、当たり前かもしれませんが、コンテンツを消費することで、少しでも前進できたり、改善できたり、前向きな状態になれることは大事ですよね。
楽しい、面白い、嬉しい、良かった、安心したなど、ポジティブな感情を持つことができるかどうかも、良質なコンテンツには必要な要素だと思います。
良質なコンテンツをより魅力的にする要素
ここからは、良質なコンテンツをより魅力的にするのに必要だと思う要素です。
私自身が、日頃、心がけている個人的な要素でもあります。
作者が公開をすることに納得ができている
そのコンテンツを作った人が、そのコンテンツに満足しているかどうか、内容や構成に納得しているかどうかは、コンテンツの質において、大事なことだと思っています。
そのコンテンツに対して、妥協があったり、公開することに抵抗があるような場合は、それはコンテンツの質にも影響がでます。
特に作者が嫌々で作ったり、なにか足りない気がしていたり、公開していいのだろうか?という疑問を持っていると、コンテンツへのこだわりが失われてしまうでしょう。
良質で惹きつけられるコンテンツには、作者がコンテンツに納得をしていて、満足していることが欠かせないでしょう。
作者が大事な人にシェアできる
コンテンツに納得できているかとも重なりますが、そのコンテンツを作者自身が、家族や友人などに見せられるか?という問いは、良質なコンテンツ作りにおいて、必要なものでしょう。
家族や友達など、自分の大切な人に、作者自身が自信を持って勧めらる(シェアできる)コンテンツであることは、それだけ作者がコンテンツに対して好意を持っていることでもあるでしょう。
作者自身が好意を持っていないコンテンツが、魅力的なコンテンツとして、人を惹きつけられるとは私は思いません。
消費者が「自分ごと」になるもの
良質なコンテンツの中でも、惹きつけられるコンテンツは、消費者が自分ごとになっているかどうかが重要です。
共感できるかと言い換えてもいいでしょう。自分と距離感の近いコンテンツは、素直に受け入れやすく、頭でもイメージしやすく、共感もできるので、感情が動きます。惹かれるということは、感情がポジティブは方向に動いているということです。
同じ内容のコンテンツでも、切り口や事例などで距離感が遠くなったり、近くなったりします。消費者が三人称視点ではなく、一人称視点でコンテンツを消費できれば、それは良質なコンテンツに「魅力」が加わるでしょう。
良質なコンテンツの定義は色々あるはず
インターネット上や関連書籍には、良質なコンテンツとは○○であるといった一般論が書かれています。ですが、私は、それぞれの会社ごとに、良質なコンテンツの異なる色があっていいと思っています。
カレーというベースは同じだけど、それぞれのカレー屋ごとに、カレーに色(特徴)があるようにです。
そして、そのコンテンツの色とは、各会社の理念やビジョンを元に、大事にしている価値観を反映して決めるのがいいと思っています。
この機会に、あなたの会社でも、一般論ではない「良質なコンテンツ」の定義を考えてみてください。