今から5年ほど前までSEOでは「被リンク」を中心とした手法ばかりが重視されていましたが、パンダアップデート、ペンギンアップデートの2大アップデートにより「被リンクバブル」が崩壊し、多くの人が影響を受けたことでしょう。
2011〜2012年にGoogleの検索アルゴリズムに導入された「パンダアップデート」の影響もあって、今ではWEBページのコンテンツの質が問われるようになりました。
今では「良質なコンテンツ」という言葉を聞き慣れてきましたよね。でも「良質なコンテンツ」って抽象度が高く、具体的にどんなコンテンツなのかがわからないという声を相談を受けているとたびたび耳にします。
遠藤が考える「良質なコンテンツ」
私が考える「良質なコンテンツ」は、そのコンテンツを受け取った人が「HAPPYになるコンテンツ」です。
HAPPYには「満足」「喜び」「気づき」「発見」「解決」などを含んでいますが、そのコンテンツを受け取ったことで、その人の人生の何かが前進やより良くなるコンテンツが「良質なコンテンツ」だと考えています。
良質なコンテンツとは何か
そもそも「コンテンツ」という言葉に明確な定義がないわけですが、三省堂 大辞林では以下のように載っています。
- (箱などの)中身
- 情報の内容。放送やネットワークで提供される動画・音声・テキストなどの情報の内容
- 書籍の目次
WEBサイトに当てはめると「WEBサイト(またはWEBページ)に掲載している情報」と言えるでしょう。ということは、良質なコンテンツとは「良質な情報」ということになります。
では「良質」とはなにか?「品質が良い」ということですよね。というわけで「良質なコンテンツ」とは「品質の良い情報」と言い換えることができます。
と言い換えたところで具体的にどんなコンテンツが良いのかは全くわかりませんよね。なぜか?それは情報を受け取る人によって「品質」の判断基準が違うからです。
受け取る人によって良質かどうかは異なる
情報は誰かに受け取ってもらわないと価値はありません。国防に関わる重要な情報をメモに書いて猫に渡したって、ただの紙屑かおもちゃになるぐらいで、情報としての価値はありませんよね。猫にとっては、情報ですらないので品質も何もありません。
情報の価値や品質を判断するのは、その情報を得た人(受け取った人)です。だからこそ良質なコンテンツを考える上で「誰にとって良質なのか?」ということを考えることは無視できません。
料理も食べる人にとって品質の判断(評価)は異なる
「誰にとって」がどれほど重要か理解できましたか?まだよくわからないという方のために例えばで考えてみましょう。
例えば、ベジタリアンの人にとってステーキは、どれほど肉のランクが高かろうが、味付けが良かろうが、品質は低いと判断するでしょう(ベジタリアンの理由は様々ありますが)。お酒を飲めない人にとって「ビール」を美味しいと感じるよりも「不味い」と感じるでしょう。
例えば、沢山食べたい人にとって「大盛り」は満足度は高く、飾り付けがどれだけ美しくても「小盛り」では満足できないかもしれません。短時間に食事を終えたい人にとって、ファーストフードは要望を叶えてくれますが、フレンチレストランのコース料理は要望を叶えてはくれません。
日本人にとって海苔は美味しいと感じても、海外の人にとっては磯の香りが強すぎて美味しいとは感じない人もいますよね。
WEBサイトの場合で考えてみる
エアコンの買い替えを考えている人にとって、最新のエアコンがまとめられているWEBページは商品郡全体を把握するには便利かもしれません。でもすぐにエアコンが欲しい人にとっては、まとめページでは選択肢が多くて選べないと思う人もいるでしょう。それよりも機能や部屋の大きさなど、ニーズごとに最適なエアコンを教えてくれる方が満足度は高いでしょう。
すでに商品を購入した人にとって「商品の特徴」は「すでに知ってる情報」なので質が高いとは思わないでしょう。それよりも「商品を120%上手く使う方法」「利用事例」などを伝えたほうが満足度が高いかもしれません。
知識がある人にとって、一言一句解説されている記事は読みづらくまどろっこしく感じるでしょう。それよりも専門用語を使ってくれたほうが読みやすく「シンプル」と感じるかもしれません。
日本人にとって全てひらがなの文章は読みづらいですが、日本語を勉強し始めたばかりの海外の人にとっては漢字があると意味がわからず、ひらがなで書かれていないと読めないのと同じですね。
このように「受け取る人」によって、コンテンツの評価は異なります。評価が異なるということは品質も異なるということです。
文字数で良質なコンテンツかどうかは判断できない
オウンドメディアやSEOに取り組み始めたばかりで「成功体験」がない(あるいは少ない)人にとって「文字数」が気になることがあるようですが、文字数でコンテンツを判断することは百害あって一利なしです。
私がイベント企画会社のWEB担当者だったときにもっとも問い合わせにつながった(SEOとしても効果があった)WEBページには、文字はページタイトルだけで写真しかありませんでした。
文字数が多ければ良質なコンテンツで、文字数が少ないと低品質のコンテンツという考えは成り立ちません。
なにかを説明する場合に文字でダラダラと書くよりも、図解したり、動画で見せたほうが分かりやすいことは多々ありますよね。文字数が少なくても満足度が高ければ、それは良質なコンテンツといえるでしょう。
良質なコンテンツは発信者だけでは作れない
良質なコンテンツを作りたいと考えるなら、情報発信者だけでは良質なコンテンツは作れないことを理解しましょう。
コンテンツを受け取る人が不在のコンテンツづくりはありえません。「誰のためのコンテンツなのか」「誰をHAPPYにする情報なのか」を考えることが重要なのです。
良質なコンテンツを作るには「受け手の評価」が必要なのです。自分たちだけで「これは良いコンテンツだよね」と言っていても、それはマスターベーションしているのと同じです。受け手の人にとって有益でなければ良質なコンテンツではないのです。
まとめ
良質なコンテンツを作るには、そのコンテンツを受取る人が誰かを考えましょう。そして、その人がHAPPYになれるコンテンツはどんなものかを考えましょう。
精神論のように聞こえるかもしれませんが、原理原則を理解せずに、方法のみを求める人に成功は訪れないと私は思います。
最後に、WEB担当者として、Googleが求めている品質を理解するためにも「ウェブマスター向けガイドライン(品質に関するガイドライン)」を読んでおくことは必須です。