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ペライチを提供する株式会社ペライチの代表取締役 橋田一秀さん【特集インタビュー 第2弾】

【インタビュー Vol.2】株式会社ホットスタートアップ代表取締役 橋田一秀さん

“つくれる”のその先へ

ーなるほど。先ほども出てきましたが、ホットスタートアップとしてのビジョンとか、描いているもの詳しくお話いただけますか?

ホットスタートアップとしては、「”つくれる”のその先へ」という言葉を出しています。誰でも簡単に1ページもののWEBサイトをカジュアルに作れるよというのがペライチのコンセプトなんですが、一般的に、ホームページを作るだけだとあまり意味がなくて、それを活用して結果を出して初めて意味があると思うんです。

作る人の気持ちとしては、例えば「物を売りたい」とか「会社のことを知ってほしい」とか「イベント集客をしたい」とか「人を採用したい」とか、そういうニーズがあってWEBの何か、うちだったらペライチを使ってもらうわけなんですが、「”つくれる”のその先へ」の言葉のもとで、今はほとんど「”つくれる”」の部分しかまだやっていないと思っているのですが、とにかく「つくる」のハードルを下げます、簡単にします、効率よくできるようにしますと。その先にしっかり今言ったような結果が出るような仕組みを入れていきたいというのが僕らのビジョンです。そういう世界観を作りたいねと。

もっと言うと、誰でも、例えば「起業したらペライチ」とか「お店始めたらペライチ」とか、いわゆるそういう人々を「エンパワーメントする!」とよく言っているんですけど、誰かが何かを始めようとする時に、それを後ろから後押してあげる、しやすくするような環境を作るというのが広い意味でのうちのビジョンかもしれないです。

クリエイターが活躍できる会社を作りたい

ー作るだけでは意味がないというはすごく共感します。そのビジョンの中で「オープン」というのも含めて、会社自体をどういう会社にしていきたいとか考えていますか?

人の話でいうと、うちは作っているプロダクトの特性もあるんですけど、いわゆるソフトウェアのサービスです。今後、アプリなどを作るかもしれないですけれど、基本的にはPCブラウザで動くソフトウェアを作っている会社です。

どこが強みになるかというと、いわゆるソフトウェアを作るクリエイターに優秀な人が集まればいいサービスができる、優秀な人とその人たちが良いチームになってきたら良いものができるという考え方です。なので、ホットスタートアップの人員構成は今のところ、エンジニアやデザイナーなどのクリエイターの方がだいたい8割ぐらいのチームなんです。将来的にはそれ以外の職種の方も増えていくと思うんですけど、ベースはここです。

なので、会社としてはクリエイターが活躍できる会社を作りたい、その人たちが良いクリエイティブをもっと作れるような環境を提供したいというふうに思っています。

そういう意味では開発合宿をやったりして、外からも入って来やすい開発の文化を作るとか。フリーランスの方もいっぱい関わってもらっているので、そういう優秀なフリーランスの方に技術面で下支えしてもらっているとか、そういったところですね。そういうのを自分たちの知見としても貯めていって、いわゆる会社の技術力といったところを上げていきたいというふうに考えています。

株式会社ホットスタートアップ 橋田一秀さん5

2016年は”つくれる”の部分を完成させたい

ーなるほど。では2016年のホットスタートアップとしての目標とか、これをやってやるぜと考えていることはなんでしょうか?

2016年は”つくれる”の部分を完成させたいですね。サービスとしての完成度でいうと、じわじわ改善していっているんですが、ユーザーさんが簡単に作れるユーザーインターフェイス(UI)はまだまだだなと思っています。ただ、そこを本当に誰でもっていうのは、まだなかなかハードルが高いと思うんですね。

それこそ、ITのサービスとかをあまり使ったことがない方でも慣れていけるようなUI。例えば、今はスマホをみんなが持っていると思うんですけど、LINEとかって結構みんな使っているじゃないですか。例えば、あれぐらいシンプルになっていくと、すごく良いと思うんです。

「ペライチ」でいうと、チャットのUIなども検討しています。使い勝手の面は、改善に終わりはないんですが、誰でも使い始めて使えるっていう状態にしていきたいというのがまず1つありますかね。

ーなるほど。ちなみに、どんな人がサクッと作れるようにしたいイメージですか?

実際に調べてみたんですけど、今はユーザーの年齢層は25〜35歳がやっぱり一番多くて、次が35〜45歳、いわゆる若年層から中年と言われるぐらいの年齢の方が多いんですね。でも、もうちょっと間口を広げたいなと思っています。もちろん年齢だけじゃないんですけどね。

いわゆるリアルなビジネスをやっている方でも簡単に触っていただける。「お店をやっています」「ネイルサロンをやっています」「飲食店をやっています」そういう方でも簡単にページを作れて、自分たちの情報をそこにストックしておけるようなものを目指しています。

ーパソコンが苦手とかっていう人もサクッと作れるような?

そうですね。そういった意味ではスマホから使えるものができてきたりとかっていうのも今はやっています。本当にカジュアルに作れるようにやっていきたいですね。

株式会社ホットスタートアップ 橋田一秀さん6

基本的に隠すこと何もない

ー橋田さんご自身は人前に出るとか、人と会うとか、日頃、ホットスタートアップの代表として心がけていることはありますか?言える範囲で教えて下さい。

「言える範囲で」で思い出したんですが、僕ら基本的に隠すことは何もないんです。自分でオープンな会社だって言っているぐらいなので。スタートアップとしての隠しごともなくて、例えば技術的に秘匿性の高いアルゴリズムを使っているとかは全くないですし、だからこそ、誰でもカジュアルに参加できる。

とはいってもソースコードを見られて、最悪パクられても、すぐコピーして始められるっていうほど、参入障壁は低くない。コピーをしてサーバーに入れれば、たぶん動くんですけどね。でも、それだけだと満足のいくサービスレベルの提供って難しいんです。全部オープンとはいかない部分も多少はあるんですけど、今の段階で基本的に何も隠すことはないんです。

そこは本当に心がけている点でもあって。やっぱり逆の立場になった時に、例えば、先輩起業家の方にいろいろお話をお伺いしに行く機会が僕もあったりするんですけど、けっこう緊張するんです。「これを聞いたらまずいかな」とかいろいろあるじゃないですか。でも、その逆の立場に立った時に、逆に「なんでも聞いてください」って言われるほうがすごく安心感がありますし、僕もそういうことをすごく意識しています。相手によるとは思うんですけど「なんでも聞いてください」って言っていますし、相手がユーザーさんだとしても、ほかの会社の方だとしても、割と何でも話します。

ー取材とか講演とか、話をするような依頼は基本的には来たら受けていくんですか?

そうですね、あんまり断っていないと思います。全くお門違いの場合とかはちょっとって感じですけど。受けるか受けないかの判断が難しいところではあるんですけど、基本的にあんまり断っていないです。

僕らの会社ってまだまだ知名度も低いですし、ある程度のブログとかメディアさんに載せてもらって話題ができれば、それだけ伝わる人が1人でも多くなると思うので、僕はすごくいいことだと思っています。

メディアの特性とかにもよるんですよね。例えば、起業家の方がたくさん見ているメディアとかであればそういう話をいっぱいしますし、中小企業とか事業主が見ているのであればサービスの話を中心にしますけど。求められれば基本的には受けています。

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ジレンマを抱えながらも「早く、たくさんトライ」する

ーなるほど。さすが橋田さんです。では話をペライチに移していきたいとおもうのですが、ペライチのビジョンについてお聞かせ頂けますか。

会社としてサービスを1個しかやっていないので、「”つくれる”のその先へ」っていうのが、そのままペライチのビジョンと言っても間違いではないと思っています。

ちょっと短期的な部分でいうと、よりユーザーさんのことをちゃんと見てサービス改善をしようなど「つくれる」の部分を完成形になるべく持っていきたいねと話しています。サービスを運営していて難しいなと思うポイントとしては、いろいろあるんですが「ユーザーさんとしてはどうか」「ビジネスとしてはどうか」「サービスコンセプトとしてはどうか」みたいなことが大きく3つあって、ユーザーさんが言っている機能を全部入れればいいってことでも絶対にないし、ビジネス的にこうやったら絶対に儲かるからやったほうがいいっていうことを全部入れても違うし、サービスのビジョンは、最低限ブレないポイントみたいなことなんですけど、ビジョンだけでサービスをやってもユーザーさんが付いて来ないし儲からないみたいな。この三方良しのゾーンを見つけるのってなかなか僕らも普段、苦労しているんですよね。

いわゆるKPIを測りながらサービスを改善していこうみたいなのはあるんですけど、数字だけで測れない部分、例えばペライチであれば、どこよりも簡単で早いっていうところが目標で、サービスとしての重要な部分なので、機能は増やしたいけど、なるべく複雑にしたくないっていうジレンマが起きてくるわけです。なので、そこをいかにUIでカバーするかとか、もしくは「やらない」という決断をするかっていうところは、正解がないので悩みながらやっている感じですね。

ー日々、試行錯誤しているわけですね

そうですね。「早く、沢山トライする」というのもホットスタートアップの価値観の1つです。結局、正解がないから、とにかくトライの数を増やすというのが、これは一般的なスタートアップの戦い方の1つだと思うんですね。

大きい会社さんがいて、そこにどうやって戦っていくか。例えばホームページをクラウドで作るサービスって海外を見ると結構あるので、そこをどうニッチにして、そこでまず取りきるか。のろのろやっていたら絶対にダメなので、早く成長するためにわからないことしかないから、とにかく小さく沢山トライしていく。あとは、ホットスタートアップでは、いわゆる開発コストを割いたりお金をかけたりしているんですが、そういった大きく張る部分もある。それでもメンバーに常々言っているのは「とにかくやる。」ところです。

ページをとにかくシンプルで早く作れること

ーなるほど。スピーディにたくさんトライする。素晴らしいですね。今のお話にも出てきましたが、海外のサービスも含めて似たようなサービスがありますが、それらと比べて「ペライチ」の違いや売りはどんなところでしょうか?

現在の話と未来の話と2つあって、現在の話でいうと、ポジショニングとしては1ページのサイトです。なるべくシンプルで公開までが早いUIを目指してやっています。実際にユーザーさんからのフィードバックとして「他社サービスは難しくてできなかったけど、ペライチは作って公開までできました」などの声をいただいたりとか、いわゆる非クリエイターの人たちから「事業で使っています」とか「うちの会社で今度こういうイベントをやるので、そのイベントの時に使っています」とか大きい会社さんからも「採用のページで使っていますよ」っていう声をいただいたりしています。

とにかくシンプルで早く作れるというところを心がけています。あとは、僕らは日本からスタートしているので、まず日本人にはちゃんと使ってもらえるように最低限しようよというのもあります。UIの中でもコミュニケーションの仕方とかもそうですし、表記とかデザインのセンスも海外と日本は違うので、そこのテイストとかは日本からやっているサービスなので、まずは日本という感じで考えています。それが現在の話です。

未来の話では、ビジョンにもある通り、「その先へ」ユーザーさんが売り上げを立てられやすいようにするとか、僕らはそういったことを目指しているのですが、海外のサービスは「つくれる」を中心になっていることが多いです。

「ペライチ」の場合はそこが少し違うかもしれないなっていうふうに考えています。もちろん海外のサイトを見て分析したり、いいなって思うところを「うちでもやってみよう」って思ったりするんですけどね。

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