WEBサイト(ホームページ)の制作費は、どうしてその金額になっているのか、どういう計算で算出されているのかって、依頼側はわかりづらいですよね。
1つのWEBサイトを作るのに50万円?!と金額だけを見ると驚くかもしれませんが、どうしてその金額になるのかを見てみると、「なるほど。それなら、この金額になるね」と納得できると思います。
フリーランスのような個人に依頼する場合は価格設定の根拠が見えずらいことは多々ありますが、金額だけを見て安い、高いと判断してしまうのは、WEBサイトで成果を出せない理由の1つですので、ちゃんと金額の根拠を確認するようにしましょう。
WEBサイト製作費用を算出してみる
まずは仮想の見積りをしてみます。金額の根拠や単位は後述します。また、分かりやすくするために計算を簡略化しています。
3人で4日間の作業を必要とする「WEBサイトA」の見積り額を計算してみます。
1人が1日(8時間)作業をするのにかかる費用は48,000円(1時間:6,000円×8時間)とします。WEBサイトAを製作するには3人が4日間の作業が必要なので、12人日となり、12×48,000円で、WEBサイトAの製作費の見積り額は576,000円となります。
このようにWEBサイト製作の費用は、何人がどれだけの時間を費やすかによって決まります。
「人日(にんにち)」という単位
人日とは、作業量の大きさを表す単位の一つで、何人で何日間働けばこなせるかを表したもの。「人数×日数」の意味で、投入する人員の数と、一人あたりの作業への従事日数の積を意味する。1人で1日かかる仕事の量が「1人日」である。/引用元:人日とは|person-day|man-day – 意味/解説/説明/定義 : IT用語辞典
例えば、1つのWEBサイトを作成するのにクリエイター1人が4日かかる場合は「4人日」となります。
製作するWEBサイトのページ数やコンテンツの内容、デザイン、企画、ディレクションなど、それぞれどれぐらい「人日」が必要かを考えます。
経験が豊富で優秀なクリエイターになれば、新人と比べて同じ作業でも、それをこなす時間に差がでるでしょう。だからといって、製作費が下がるわけではありません。むしろ豊富な経験やスキルに対する報酬は上がるべきですよね。
もし作業時間に合わせて、製作費を下げるべきだと考えるなら、ベテランの職人さんが3日かけて作る鞄を、新人は1ヶ月かけないと作れない。新人の方が作業時間が長いから、ベテランの職人さんよりも報酬を多くすべきということになりますね。
1時間のコストは時給×3
作業する人の時給が2,000円の場合、1時間の費用はは2,000円ではありません。なぜなら「経費」が含まれていないからです。
そのため、クリエイター1人が1時間働いて「利益」を生むために「時給×3」を1時間の見積り金額とすることが一般的です。
つまり時給2,000円の人が1時間作業するのに必要な費用は6,000円(2,000円×3)ですので、8時間(1日)作業したとすると6,000円×8=48,000円(1人日)となりますね。ただし、8時間フルで作業をし続けられるわけではないので「×3」の計算は赤字ギリギリです。
フリーランスでWEBサイト製作をしている場合には企業ほど経費がかからない、人件費を抑えられることがあるので、×3で計算した見積り金額よりも低くできます。
料金プランも人日を元に料金を設定している
WEBサイト製作会社は「デザイン費:◯万円」「トップページ コーディング費:◯万円」「下層ページ コーディング:◯万円」と料金表を用意していますが、それらは「人日」を元に計算されています。
実際は、会社によって金額の根拠はバラバラなんですけどね。
制作費が安い=手間がかかっていない
語弊を恐れずに言うとWEBサイト製作が10万円程度の場合、それだけ手間ががかかっていないということです。製作費が低いのは、それ相応に関わっている人も少ないし、作業をしている時間も少ない。
1つ1つ丁寧に手作業で作られたオーダーメイドの家具と、規格が決まっていて工場で機械によって量産されている家具の違いと同じです。
製作費が安いということは、それ相応の理由があるはずです。100万円で作ったWEBサイトと10万円で作ったWEBサイトが同じであると考えるのは、ちょっと考えが甘いですね。
相場や作業量で頼まない方がいいとも思う
僕はWEBサイトの目的を基準に製作費を考えるべきだと思っています。どれだけ予算をかけても目的が達成できなければ意味がありません。(見た目にお金をかけまくった結果、製作費は高いけど成果が出ないWEBサイトなんて無駄でしかない)
逆にWEBサイトでそれなりの成果を求めているのに、製作費が安い会社に頼むというのも、目的を果たす行動ではありません。
目的が達成するために必要なことをすべきですし、それを実現させるための費用は、相場に関係なく支払うべきでしょう。
また、相場というのは他社の価値観です。自社の売上を左右するWEBサイトを判断する基準を他社の価値観を使っていいのかどうかは、考えるべきです。相場を元に「この程度の金額なら、この程度の成果がでる」と考えることできませんよね。
自分たちが作ろうとしているWEBサイトの価値を自分たちの価値観によって判断すべきでしょう。ボッタクられないために相場も知っておいて損はないと思いますが、それだけを判断基準にしないほうがいいです。
WEBサイト製作側もリスクヘッジしよう
WEB製作側も見積り時にリスクヘッジをしっかりするべきだと思います。特にフリーランスの場合は赤字にならないギリギリの金額にして、ジリ貧になっている人も多いのではないでしょうか?あとで痛い目に遭うのは自分自身ですし、余裕がない状態で製作をしても良いものは作れないでしょう。
どれくらいの時間でできるかっていう工数を計算しています。(かかる時間=お金)に換算すれば、算出できるはずなので、「これくらいかかるな~」みたいな値段を提示します。で、概算見積もり提出と併せて、重要な下記ことを依頼者に伝えないといけないです。
「これは『概算』ですので、作業の内容や範囲が確定した時点で正式に見積もります。」
「確定した作業内容によっては概算見積よりも値段が変動する場合があります。」
「いや、確実に見積の値段は変動します。」/引用元:【WEB制作などの依頼で「概要」しかわからないのに「とりあえず見積が欲しい」と言われたとき、私はこんなことに気をつけています】 | 今村だけがよくわかるブログ
「とりあえずウェブサイトの見積もりだしといて〜」っておい!説明しろよって。
彼らは言う。あたかもウェブサイトという1つの不変な商品があるかのように。
なので、聞き出せるだけ聞き出して、取引会社の規模感も考えながら一生懸命想像を膨らまして見積もる。もちろんヒヤリングに行くのがベストだけど/引用元:ウェブサイト制作の見積もりをつくる際に考える3つのパターン 2013年度版 | Workabroad.jp
クライアントのほとんどは、値段交渉において「予算を抑えたい」という想いと、「良い成果物を得たい」という想いの板ばさみに実はなっています。ですから「その問題を解決する方法を一緒に見つけませんか?」と提案し、「お互いの利益を追求する姿勢」を示せば、必ず良い方向へ値段交渉は進んでいきます。/引用元:クライアントとの値段交渉のコツ | THE LANCER(ザ・ランサー)
制作側の売り上げがたって、クライアントが成果物に納得して支払えばそれでOKのような気もしてきてしまいます。
見積もりに対してきちんと納得してもらえるかが一番重要だと思います。/引用元:Web制作の見積もりの出し方について改めて考えてみました。 | モノづくりブログ – 株式会社8bit