企業がソーシャルメディア活用に取り組む際に理解しておくべきことを理解していないがゆえに、失敗していることがよくあります。
とりあえずFacebookページを作っても、うまくいくことはそうそうないでしょう。理解が甘いままでソーシャルメディア活用に取り組んだ場合に、ほとんどが「何も起こらない」と間違った判断をしてしまうことになるでしょう。
今回は、これからソーシャルメディア活用を始める企業が、間違った判断をしてしまわないように、最低限、理解しておいてもらいたいことを書きたいと思います。
①ソーシャルメディアの取り組みを設計する
ソーシャルメディア活用にかぎらず、どんなことにも「準備」は重要です。準備のできでその後の結果の良し悪しが決まると言っても過言ではありません。
料理をするときに何を作るかも、どう作るかも決めず、何の準備もなく、いきなり目についた具材を包丁で切り始める人はいませんよね。
ソーシャルメディア活用でも、ゴールを決めて、それをどう達成するか、どんな手段を用いるのか、どんな投稿をするのかなどをしっかりと設計することが重要です。
②セールスの場ではない
ソーシャルメディアで広告(Facebook広告、Twitter広告、Instagram広告など)を出稿する場合は別ですが、企業アカウントを運用する場合、ソーシャルメディアはセールスの場ではないことを理解しましょう。
そもそもソーシャルメディアは、ユーザーが「商売」をするために作られたものではありません。Facebookであれば大学生が友達とつながるために作られたというのは有名な話です。(映画にもなっています)
ソーシャルメディアは「人と人がつながりコミュニケーションをとる」というのが前提です。そのような場で企業アカウントが「商品の宣伝」の投稿ばかりしていても、つながりを作るのは難しいでしょう。
自分の勤める会社の商品の営業しかしない人と友達になりたいと思うかどうかを想像してみるのが分かりやすいと思います。
③ソーシャルメディアの主役はユーザー
ソーシャルメディアの主役はユーザーです。ユーザーとは1人の個人であり、消費者です。企業側は、ユーザーが友達としている世間話や雑談に参加させてもらう立場です。
むりやり世間話に割り込んでいくのではなく、ユーザーの人たちの会話で話のネタとして取り上げてもらえるような投稿を心がけましょう。
ときには企業アカウント側から会話に参加することが必要な場合もありますが、基本はユーザーから会話のボールが返ってきたときに会話をするぐらいのスタンスでいるのがいいでしょう。
④情報や発言をコントロールしようとしない
ソーシャルメディアの主役はユーザーであることをお伝えしましたが、彼らの発言(投稿やコメント)を企業側がコントロールしようとするのは厳禁です。
企業がコントロールしていいのは、自分たちの投稿だけです。自社にとってマイナスとなる投稿があったとしても、その投稿を削除させるようなことはしてはいけません。
そのようなネガティブ投稿には誠意ある対応をとりましょう。臭いものに蓋をする対応は炎上の火種になるので要注意です。
よほど悪意ある投稿であれば弁護士を通じた対応が必要なこともありますが、商品やサービスにたいして低評価からくる投稿は批判や抑えつけることはしてはいけません。
⑤ローマは1日にしてならず
ソーシャルメディア活用も1日にしてなることはありません。FacebookページやTwitterなににしても、企業アカウントを作成しただけで、いいねやフォロワーが1,000も10,000集まることはありません。
広告とは別に、いいねやフォロワーを直接お金で買うような手段もありますが、そんなことで集まったユーザーは御社に好影響を与えることはないでしょう。
例えばFacebookの個人アカウントで、お金をかけて友達を増やしたところで、その人達が本当に友達かと問えば、その人たちは友違ではないですよね。
企業アカウントを開設して、日々の投稿やユーザー(ファンやお客様)との会話(コミュニケーション)を通じて、関係を築いていくことが重要です。
企業の営業担当者が、初めての訪問先で担当者と初対面でいきなり信頼関係を築くことがほぼありえませんよね。何度も足を運んでコミュニケーションをとった先に信頼関係がありますよね。ソーシャルメディアもこれと同じです。
理解不足でソーシャルメディア活用を失敗しないように
いかがだったでしょうか。ソーシャルメディアでの取り組みを始める前にぜひとも上記の5つを理解して頂ければと思います。
成功に必要なことは他にも沢山あるので、上記の5つを理解していれば、必ずソーシャルメディア活用が成功するというわけではありません。ですが、知っているのと知らないのでは大きな差が生まれますので、頭に入れておいてくださいね。